山下循環器科内科ニュースNo.146 2013年7月1日発行 (隔月発行)

◎心臓の

大分市認知症家族介護支援事業のお知らせ

 大分市認知症家族介護支援事業は今年で3年目です。今年は大分市内で6施設が委託されましたが、当院の認知症対応型通所介護デイサービス碧(みどり)は、今年もこの事業を大分市より委託されました。3回目となります。

 事業のスケジュールですが、4回シリーズです。

 第1回は720日(土)で、介護者家族の体験談です。

 第2回は727日(土)で、認知症専門医による「認知症について」の講義があります。今年の講師は、昨年同様、大分大学医学部神経内科の木村成志先生です。

 第3回は824日(土)で、デイサービス職員による介護方法や事例の紹介があります。

 第4回は831日(土)で、竹中・判田地域包括支援センターのスタッフによる「介護者の負担軽減となるような地域の社会資源」の説明と紹介があります。

 参加は自由です。1回のみの参加でも結構です。場所は当院デイケア棟2

のデイサービス碧にて行います。各回とも13時より受付、1330分より開始いたします。ぜひ、多くの方に来ていただきたいと思います。

◎子宮頚がん予防ワクチンの接種について

 すでに報道でご存知の方も多いと思いますが、厚生労働省はワクチン接種を積極的には勧めないという勧告をだしました。ワクチンはヒトパピローマウイルスで起こる子宮頚がんの予防に有効で、中高校生に主として接種されてきました。しかし、ワクチン接種による副反応が問題となってきました。

 比較的経度の副反応は、50%以上に注射部の痛み、1050%に注射部の痒みや筋肉痛、110%にじんましんやめまい、1%以下に注射部の知覚異常、しびれ感、全身の脱力などがおこります。

 重い副反応としては、96万接種に1回の呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアレルギーのアナフィラキシー、430万接種に1回のギラン・バレー症候群(手足の力が入りにくくなる末梢神経の病気)や急性散在性脳脊髄炎(頭痛、嘔吐、意識の低下などを主症状とする脳や脊髄などの病気)が報告されています。

 厚生労働省はワクチン接種の有効性とリスクをよく考えた上で接種を受けてくださいといっていますが、重い副作用がでるとなると二の足を踏む方も多いことでしょう。ワクチンの改良が望まれるところです。

◎新しい糖尿病薬の開発

 腎臓の近位尿細管というところでは、いったん排泄された体内の糖分の

90%が再吸収されています。ここを阻害して血糖を下げる薬がSGLT阻害薬という新薬です。現在、治験が勧められています。

 腎臓からの尿糖排泄を増加させることにより、低血糖をおこさずに高血糖を改善し、長期的には膵臓機能やインスリン抵抗性を改善することが期待されています。臨床試験では、糖尿病の改善のほか、体重減少、血圧低下などの効果も示されています。副作用としては軽い尿路感染症などが報告されています。糖尿病薬は新しい薬が次々に開発されてきています。それだけ期待が大きいわけですが、薬の使用はお金がかかります。生活習慣の改善がまず大切なのはいうまでもありませんね。(近着の内科学会雑誌から。以上3記事 院長)

◎住宅改修と福祉用具購入について

介護保険制度では、在宅で生活されている要介護認定を受けている方を対象に、住宅の改修(手すりの設置、段差の解消)や、入浴や排せつのための福祉用具購入にかかる費用の9割が助成されます。

住宅改修費の支給の対象となるもの・・事前に申請が必要です。(上限20万円)

・廊下や階段、浴室やトイレの手すりを設置

・段差解消のためのスロープ設置

・滑り防止のための床材などの変更

・引き戸への扉の取り替え

・洋式便器などへの取替え

福祉用具購入費の支給の対象となるもの・・指定を受けている業者で購入した場合に限ります。(上限、一年度につき10万円)

・腰掛便座(ポータブルトイレ)

・入浴用のイス

・入浴台

・浴室内のすのこ

・浴槽内の手すり

※杖や靴、防水シーツ、口腔ケア用ブラシ、尿器などの購入は対象となりません。また、車いすや歩行器などはレンタル(貸与)の対象となります。

住宅改修は市役所へ事前の申請がなければ助成を受けられませんので、必ず工事をおこなう前に担当のケアマネージャーにお申し出ください。

自宅で長く安心して生活できるように、また転倒や事故を未然に防ぐためにも、住環境を整えてみるのも一つの手段です。いつでもお気軽にご相談ください。(介護支援専門員 斉田裕子)

 

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