山下循環器科内科ニュースNo.125 2010年1月1日発行 (隔月発行)
no_100


 山下循環器科内科ニュースNo.124 2009111日発行 (隔月発行)

 

 

◎新年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。2010年が皆様にとって良い年であるように心からお祈り申し上げます。昨年は民主党が政権を取り、日本の政治も大きな変革が期待されましたが、日が経つにつれ、国民の目線での政治がなかなか実施困難であることが明らかになってきつつあります。しかし、それでも以前に比べて納得できる施策が少しずつ行われてきています。医療、介護の面でも国民の利益になるような政策が実施されることを期待したいと思います。        当院も開業21年をすぎましたが、常に医療・介護の両面で最新の知識、技術を導入して皆様のご期待に添うよう努力してまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。(院長)

◎デイサービス碧(みどり)のこの頃

山下循環器科内科には「デイサービス碧(みどり)」という認知症対応型通所介護サービスがあります。言葉だけ見ると難しいですが、簡単にいえば認知症を有する高齢者の方に日中来ていただき、入浴、食事、機能訓練等のサービスを提供するものです。具体的に利用者の方の生の声を取り上げながらそのご様子を挙げてみます。

先日巻き寿司作りを行いました。Aさんは料理活動には大変積極的に参加され、「昔、仕事に出とる時は巻き寿司を何百本と作りよった」「大きな包丁でブロイラーをまるごとさばきよったんよ」と生き生きとした表情で作業を行っておられました。また別の日には運動を兼ねた機能訓練としてテーブル卓球を行いましたが、利用者の方がお年寄りだからといっておとなしいとは限りません。  Bさんは昔バレーボールやバスケバスケットボールなどのスポーツをされていた事もありスポーツとなると大変活気が出ます。「ほら、じいさん行くでー!!」と強いシュートを繰り出しては男性をたじたじさせるテーブル卓球のエースです。

上記のAさんは、昔のことはすぐに思い出すことができますが、新しいことはすぐに忘れがちです。Bさんは何度も同じ事を繰り返し尋ねることが多い方です。認知症の主要な症状として「忘れてしまう」という事が挙げられます。同じ物忘れでも、ヒントがあれば思い出せたりすれば問題ないのですが、認知症の物忘れは「体験したこと自体を忘れてしまう」のです。

記憶の保持が曖昧なために、時間や季節が分からなくなったり、物覚えの悪さを指摘され、自信をなくして何事にも消極的になったりと、生活に支障が出てきます。記憶そのものの衰えもありますが、そのことに対してどう付き合うかが大切です。今では、認知症もリハビリの対象となっています。

また、私たちの認知症の方に対する対応次第でその症状が良くもなったり悪化したりもします。ただ難しいのは人間相手という事もあり、対応方法がそれこそ人によって様々であるという事です。例えばこの方法でCさんは良くなったが、Dさんに行ってもあまり効果がなかったということもあり、個々人に対して対応方法を考えていかなければなりません。難しくはありますが、上記の例のようにデイサービスで生き生きとされているご様子を見ると、とてもやりがいのある仕事だと思います。

認知症についてのご相談がありましたら、いつでもどうぞお声をかけてください。(社会福祉士 柴田理恵)

◎糖尿病専門外来の紹介

明けましておめでとうございます。みなさんお正月はいかがお過ごしでしたか?今回は昨年6月より診察を行っています「糖尿病外来」の紹介をさせていただきます。

診察は毎週火曜日、午後2時から5時です(予約制ですが予約外でも診察できます)。大分大学付属病院糖尿病内科の「神徳美香先生」が診察されます。

現在、糖尿病人口は全世界で増加の一途を辿っています。当院でも糖尿病または予備軍の患者さんが増えています。糖尿病は長い間高血糖状態が続くと必ず合併症が出ます。合併症は無症状で進行し、ある程度進行すると後戻りできません。過去の高血糖状態が体の中にメモリーとして残っているからです。

合併症がなく健康寿命で生活していただく為には自己管理が必要です。しかしご自分で努力されても血糖コントロールがよくならない、体重が減らないなど悩んでいる方も多いと思います。「糖尿病外来」では神徳先生が一人ひとりの患者さんと時間をかけて話し合い、一つ一つ生活習慣を改善したり、内服薬をこまめに調整することなどにより効果が出ている方も多くいらっしゃいます。また、本物そっくりのフードモデルを使った食事の説明では、ご自分が食べていないと思われていてもフードモデルを見て「こんなに食べていたのか」や「餅は小さいけどカロリーが高い」「果物は、バナナは1日でこれ1本でミカンはこれ位」など実際目で見ることにより食事療法にも効果が出ています。

糖尿病で悩んでおられる方は是非一度「糖尿病外来」を受診してみてはいかがですか?

糖尿病合併症早覚えまめ知識

しめじ 神経障害(し)網膜症(め)腎症(じ)

えのき 壊疽(え)脳卒中(の)虚血性心疾患(き)

                   (糖尿病療養指導士 橋本美鈴)

 

 

 

 [TopPage] [Backnumber]