山下循環器科内科ニュースNo.138  2012年3月1日発行 (隔月発行)

◎心臓の

◎診療報酬と介護報酬の改定、ジェネリック医薬品について
 今年4月に診療報酬と介護報酬の同時改定が行われます。今回の改定では、外来診療部門やデイケア部門はあまり大きな変動はなく、皆様の一部負担は今までとあまり変わらないと考えられています。
 最近、ジェネリック医薬品という言葉をお聞きになることが多いと思います。ジェネリック医薬品とは、新規に開発された薬が特許切れになって、開発した製薬会社以外の会社で作った薬のことで、後発品ともいわれています。ジェネリック医薬品は先発品と比べて、薬効にほとんど差はなく、価格が2〜3割安いのが特徴です。皆様の一部負担もその分安くなります。
 最近の国民医療費の上昇とともに、ジェネリック医薬品の使用が診療費支払い側より求められることが多くなりました。今回の診療報酬の改定でもさらにこの方向が明確になっています。皆様のお手元にもジェネリック医薬品を使うような要請が来ていると思いますが、私ども医療機関も、医療費上昇に少しでも歯止めがかけられるように、ジェネリック医薬品使用を推進したいと考えます。ただ、先発品から後発品に代えると、調子が悪くなったと訴えられる方もあり、この場合はもとにもどしています。
◎高血糖と糖尿病治療薬 インクレチン

暦の上では春ですが寒い日が多く梅の開花が遅れています。寒い日はついコタツの番人をすることが多くなると思います。このような時は食後の血糖値が高くなりやすくなります

食後高血糖とは

 食事をすると食べた物は胃からゆっくりと小腸に流れていきます。小腸でブドウ糖などに分解され吸収されて血糖値が上昇します。この上昇を抑えるためには、ゆっくりと吸収されることが重要です。そのために「早食いを避け、ゆっくり食べる」ことや「砂糖などすぐに吸収される単純糖質を控える」ことが指導されると思います。糖尿病患者さんは食後の血糖上昇を抑える力と高くなった血糖値を下げる力が弱いため血糖値が高くなります。これが食後高血糖です

食後高血糖は心筋梗塞、脳梗塞、認知症など健康寿命に直結する病気を引き起こす可能性があるので改善する必要があります。 糖尿病治療の目標は、1〜2ヶ月間の血糖値の平均を反映するヘモグロビンA1c値が6.5%未満、食後2時間血糖値が80以上180mg/dl未満です

高血糖を改善するにはどのような薬があるのでしょうか?

 糖尿病患者さんは@食事量に応じて膵臓がインスリンを出す力 Aブドウ糖が急激に吸収されるのを抑える力Bブドウ糖に応じて膵臓がインスリンを出す力 Cインスリンが血糖値を下げる力が弱っています

患者さんによってどの力が弱っているか異なりますので一人ひとりに合った薬を選ばなければなりません。ブドウ糖に応じて膵臓がインスリンを出す力が弱ければスルホニール尿素薬などが使われます。インスリンが血糖値を下げる力が弱ければビグアナイド薬など、ブドウ糖が急激に吸収されるのを抑える力が弱ければアルフアーグルコシダーゼ阻害薬が使われます。そして食事量に応じて膵臓がインスリンを出す力の弱い患者さんに使うのがインクレチン薬です。インクレチン薬はDPP-4阻害薬(飲み薬)とGLP-1受容体作動薬(皮下注射、インスリンとはちがいます)の2種類があります。GLP-1受容体作動薬は11〜2回皮下注射が必要ですが胃の動きを弱くすることで食べ物が小腸へ流れていくのを遅らせるため、ブドウ糖が急激に吸収されるのを抑える力も改善します。インクレチン薬は血糖上昇を抑える薬なので単独では低血糖は少ないのですがスルホニール尿素薬やインスリン製剤と併用すると低血糖が起こることがあります。特に高齢者や腎臓の働きが低下している人は注意が必要です。インクレチン薬には食後高血糖を抑える役割があるので血糖コントロールが改善されると報告されています。他に膵β細胞の保護や体重減少、心筋梗塞と骨折の減少も報告されています。GLP-1受容体作動薬については現在、1日1〜2回の注射ですが1週間に1回でよい製剤も開発され近い将来わが国でも発売が期待されます。しかしインクレチン薬は食事療法や運動療法の代わりになるものではありません。今後とも生活習慣には十分気をつけて健康寿命で過ごしていただきたいと思います。(大分県糖尿病療養指導士 看護師橋本美鈴)

◎新入職員自己紹介

名前:清水智美(しみずともみ)

年齢:今年で25歳になります。818日生まれ、しし座、血液型はA型ですが、周りからはB型かO型とよく言われます。(笑)

趣味:入浴剤集め、温泉

克服すること:ビールを飲めるようになること!

 1月から働かせていただき、新しい環境に慣れない私に、優しく暖かい笑顔で接してくださる患者の皆様にいつも元気をいただいています。看護職者として、知識・技術向上はもちろん、「山下先生の所で診てもらおう!」と今後も思っていただけるような環境作りを皆様と一緒に取り組むことに頑張りたいと思っています。これからも、どうぞよろしくお願いします。

 

 

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