山下循環器科内科ニュースNo.141  2012年9月1日発行 (隔月発行)

◎心臓の

◎難治性高血圧に対する新しい治療法

 現在、高血圧の治療は薬物療法が主体ですが、降圧剤を3剤以上使っても上の血圧が160以上で、目標値に下がらない場合に腎交感神経アブレーションという全く新しい治療法が登場しました。

 腎動脈の周りには交感神経が走っていて腎臓と脳とを連絡しており、血圧の上昇に大きく関与しています。腎動脈にカテーテルを入れて、高周波で腎動脈をらせん状にアブレーション(焼灼)することにより、腎動脈の周りの交感神経を切断するというものです。この治療により、血圧が30mmHgくらい下がると報告されています。

 欧米ではすでに6000例以上の実施例があり、日本でも徐々に報告が出てきました。大きな副作用はないようです。現在、適応となる高血圧は、上に述べた3剤以上使っても160以下にならない場合です。2次性高血圧といってホルモンなどの異常で高血圧になっている場合や、腎動脈狭窄による高血圧の場合は適応にはなりません。

 将来、この治療が一般的になり、たやすくできるようになれば、薬は飲まなくて良い時代も来るかもしれませんね。(院長。日経メディカル20128月号から引用)

◎ケアマネージャーの役割について

 専任の介護支援専門員(以下、ケアマネージャー)となり1年半が過ぎました。ケアマネージャーという仕事を知れば知るほど、ただの調整役で終わらないその仕事の大変さを感じています。

 介護保険制度において、大切なのは「自立支援」という視点です。簡単に言うのは難しいですが、「その方の状態に応じて、その方が望む生活を送れるように支援する」ということです。自宅でお風呂に入れないという方に対し、「ではデイサービスに行ってお風呂に入れてもらいましょう」と、すぐに決定するのではなく、まずはその方やご家族の希望を伺います。「それでも家でお風呂に入りたい」という希望であれば、『手すりを付ければ入浴できるのではないか?』『家族からの支援はどこまで受けられるのか?』『リハビリは?』など、情報収集を行い、出来ること、出来そうなこと、出来ないことなどを確認しながら計画を立てていく必要があります。そしてこの考え方を利用者やご家族の方にも分かりやすく説明し理解していただくこと・・・それが一番大変な仕事だったりします。まだまだ勉強の日々です。(介護支援専門員  斉田裕子)

◎あらためて認知症について

 認知症とは、加齢による単なる物忘れとは違い、正常だった脳の働きが、何らかの原因で徐々に低下する病気です。認知症は誰もがなる可能性のある身近な病気で、高齢化が進む日本では現在約300万人の患者さんがおられ、85歳以上の方の4人に1人が認知症になっているといわれています。

 認知症の中で最も多いのがアルツハイマー型認知症です。ついで、脳血管性認知症ですが、両者の混在も多いといわれています。アルツハイマー型認知症では、日付・曜日や居場所などがわからなくなる見当識障害、料理などの作業の要領が悪くなる実行機能障害、判断力の低下、言葉が円滑にでないなどの中核症状が見られます。また、イライラして怒りやすくなることや、物を盗まれたと主張する被害妄想などもあります。

 アルツハイマー型認知症は、いつのまにか始まり、緩やかに進行していくのが特徴です。早く発見して、正しく診断されることで、適切な治療が受けられます。現時点では、根本的に治療して元の状態に戻すことは困難ですが、薬によって症状の進行を遅らせることができるようになりました。現在、4種の薬が出ており、単独または組み合わせることによって、症状がかなり軽快できます。

予防としては、糖尿病や高コレステロール血症などの生活習慣病がアルツハイマー型認知症の危険因子といわれていますので、若いときからしっかりと治療しておく必要があります。高血圧は脳血管性認知症の重要な危険因子ですので、やはりきちんと治療しておいてください。運動、手作業、禁煙、友人との交際なども予防に役立つといわれています。 

認知症に最初に気づくのは、同居の家族です。今までとは違う症状や行動で、認知症ではないかと思われましたら、できるだけ早く、医療機関でご相談されることをお勧めします。認知症の研修を受けた「かかりつけ医」も増えてきましたので、まずはかかりつけ医にご相談下さい。その上で「物忘れ外来」や「認知症外来」など専門外来がある大分大学や精神科病院などを受診されるのが良いと思われます。また、地区の包括支援センターでも相談を受け付けていますので、利用されるとよいでしょう。(看護師 三浦貴子)

    新入職員自己紹介

 平成247月下旬に介護福祉士として入社しました田中美菜です。明るく元気にをモットーに、利用者の方が笑顔になれるお手伝いができたらなと思います。まだまだ勉強することはありますが、デイケアやましたに来てよかったと思っていただけるよう日々頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

    入職者(よろしくお願いします)栄養士 岩本由紀子

    退職者(お世話になりました。)

看護師 掛谷夕紀、介護福祉士 池永夕貴、栄養士 井 英子

 

 

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